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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

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2026.05.26

脂質異常症の治療を象徴する聴診器とハートのイメージ

脂質異常症とは、血液中にある脂質の値が基準値を外れた状態のことです。脂質異常症は自覚症状が起こりにくい病気で、多くは血液検査の結果により指摘されます。

脂質異常症を発症すると血管の壁にコレステロールが付着し、動脈硬化のリスクにつながります。健康診断で脂質の値に異常が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事では脂質異常症のリスクやチェックすべき検査値、治療法について解説します。

脂質異常症は動脈硬化のリスクを高める

心臓の痛みを感じる男性(心筋梗塞のリスク)

脂質異常症は、動脈硬化のリスクを高める病気です(※1)。

血液中の脂質が多いと、血管の壁に余分なコレステロールが付着します。たまった塊(プラーク)はやわらかく壊れやすいものの、時間の経過とともに血管の壁を厚くします。血管が分厚くなり、詰まりやすくなった状態が動脈硬化です(※2)。

動脈硬化が進行すると血栓により血管が塞がりやすく、命に関わる病気を発症する可能性があります。例えば心臓の血管が詰まると心筋梗塞を、脳の血管が詰まると脳梗塞を引き起こします。

動脈硬化の発生と進行の仕組みを示す図

脂質異常症は自覚症状に乏しい病気ですが、動脈硬化により重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、早めの治療が大切です。

(※1 参考)脂質異常症|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~
(※2 参考)脂質異常症|国立研究開発法人 国立循環器病研究センター

脂質異常症によるリスクを下げるために、チェックすべき検査値

脂質異常症は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)または中性脂肪が高い状態、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態を指します(※1)。

脂質異常症を予防・改善するには、定期的に検査を受けてコレステロールの数値を確認することが大切です。健康診断や血液検査でチェックすべき検査項目と、基準値をそれぞれまとめました(※2)。

脂質異常症の検査項目が記載された血液検査票
検査値基準値
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)140mg/dL以上:高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dL:境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール(善玉コレステロール)40mg/dL未満:低HDLコレステロール血症
中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL以上(空腹時採血)/ 175mg/dL以上(随時採血):高トリグリセライド血症
Non-HDLコレステロール170mg/dL以上:高non-HDLコレステロール血症
150〜169mg/dL:境界域高non-HDLコレステロール血症

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

LDLコレステロールは、コレステロールを全身に運ぶリポタンパク質で、動脈硬化の主な原因となるため「悪玉コレステロール」と呼ばれます。基準値を超えている場合、生活習慣の改善が必要です(※3)。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)

HDLコレステロールは、血管に蓄積した余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあるため「善玉コレステロール」と呼ばれます。数値が低い場合は動脈硬化のリスクが高まります(※4)。

中性脂肪(トリグリセリド)

中性脂肪(トリグリセリド)は、体内のエネルギー源として蓄積される脂質です。過剰になるとHDLコレステロールが減少し、動脈硬化のリスクが高まります(※5)。

Non-HDLコレステロール

Non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値で、動脈硬化のリスク評価に有用です(※6)。

脂質異常症を治療する方法

脂質異常症を治療するには、まず食事や運動といった生活習慣の改善が必須です。必要に応じて、薬を併用する場合もあります。

食生活の見直し

LDLコレステロールが高くなる原因として、第一に考えられるのが飽和脂肪酸の摂り過ぎです。飽和脂肪酸より影響は小さいものの、食事中のコレステロールもLDLコレステロールを上昇させることがわかっています。

脂質異常症を改善するためには、下記の食品を控えるといいでしょう(※1)。

飽和脂肪酸を多く含む食品

  • 肉の脂身
  • 動物脂(牛脂、ラード、バター)
  • 生クリーム
  • パームヤシやカカオの油脂
  • インスタントラーメンなど加工食品

コレステロールを多く含む食品

  • 鶏卵の黄身
  • 魚卵

中性脂肪が高くなる要因には、カロリーの摂り過ぎ、特に甘いものや酒、脂もの、糖質の摂り過ぎが考えられます。

また、動脈硬化の予防には減塩を心がけた日本食を意識するとよいでしょう。

動脈硬化の予防に推奨される食品

  • 大豆
  • 野菜
  • 海藻
  • きのこ
  • 果物
  • 未精製穀類

運動

運動不足はトリグリセライドの高値や、HDLコレステロール低値の要因になります。動脈硬化の予防として、毎日30分以上の有酸素運動が推奨されています。

有酸素運動の例(※2)

  • ウォーキング
  • 速歩
  • 水泳
  • ベンチステップ運動

有酸素運動はややきついと思う程度を1日合計30分以上、週に3回〜できれば毎日を目指しましょう。

薬物治療

生活習慣の改善だけで改善しない場合は、薬物治療を行います。治療には主に、スタチン系と呼ばれる薬剤を使います。

脂質異常症の治療に使われる薬(スタチン系など)
分類薬品名
スタチンプラバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン など
陰イオン交換樹脂コレスチラミン、コレスチミド
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ
フィブラートベザフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラート
ニコチン酸誘導体トコフェロール、ニセリトロール、ニコモール
プロブコールプロブコール
多価不飽和脂肪酸イコサペント酸エチル、オメガ-3脂肪酸エチル

十分な効果を得るには、継続して服用を続けることが大切です。

聴診器と血液検査結果

脂質異常症を診断されたら、早めに医療機関で受診しましょう

今回は脂質異常症のリスクについて解説しました。

脂質異常症は自覚症状に乏しい病気です。進行すると動脈硬化のリスクがあるため、健康診断でコレステロール値が高いと指摘されたら、早めに医療機関を受診しましょう。

脂質異常症の治療には、食事や運動など生活習慣の改善が不可欠です。数値によっては、薬物療法を併用する必要があります。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。脂質異常症の治療にも対応しております。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「健康診断で、コレステロール値が高いと言われた」「脂質異常症と診断されたけど、しばらく治療を受けていない」このような方はぜひ、一度当院へご相談ください。

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