feature-mv__pc feature-mv__sp

医療コラム

追従ボタン

当院のコラムは全て
医師が監修しております。

ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

監修者について詳しく見る

2025.06.05

アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹を繰り返す慢性の炎症性疾患です。

アトピー性皮膚炎の多くは乳児期に発症します。子どものアトピー性皮膚炎は、炎症の起こりやすい部位や患部の状態が大人と異なります。

治療するには原因を知り、適切な治療を続けることが大切です。
この記事では子どものアトピー性皮膚炎について、症状や原因、治療法を解説します。
子どものアトピーに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

子どものアトピー性皮膚炎はどんな病気?

アトピー性皮膚炎とは、皮膚の赤み、かゆみなどの症状が続く疾患です。

子どものアトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因(アトピー素因)にアレルギーなどの環境要因が加わって発症します(※2)。アレルギーの原因として、乳幼児では食べ物、乳児期以降ではダニやハウスダストが多く見られます。

アトピー性皮膚炎の診断基準は次の通りです(※1)。

  1. かゆみがある
  2. 皮膚の赤みや肥厚など、特徴的な皮膚症状が左右対称に見られる
  3. 慢性的に、または繰り返し症状があらわれる(乳児では 2ヵ月以上、その他では 6 ヵ月以上を慢性とする)

皮膚が乾燥するとバリア機能が低下して症状が悪化しやすいため、アトピー性皮膚炎の治療や予防には保湿が重要です。乾燥しやすい冬や、汗をかきやすい夏に症状が出やすくなります。

乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症しても半数は寛解しますが、一部の方では大人になってからも症状が続く場合があります。

アトピー性皮膚炎とは?症状や原因、治療法について解説

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

(※2 参考)薬がみえる vol.2|メディックメディア

子どものアトピー性皮膚炎は、年齢によって特徴が異なる

子どものアトピー性皮膚炎は、年齢によって皮膚の状態や発症しやすい部位が異なります。

どの年代でも症状は左右対称に見られ、患部にはかゆみも伴います。

症状が起こりやすい部位、皮膚の状態を年代別にまとめました(※1)。下記に当てはまる場合は、アトピー性皮膚炎かもしれません。

時期乳児期(2歳未満)幼小児期(2歳〜12歳)思春期・成人期(13歳以上)
症状が起こりやすい部位頭・顔しばしば体幹・手足頸部・手足の折れ曲がる部分顔・頸部・胸・背中・手足の折れ曲がる部分
皮膚の状態顔や頭部に始まり、体幹に広がる皮膚はじゅくじゅくする傾向皮膚全体が乾燥掻いた跡が残り、皮膚が硬く厚くなる皮膚全体が乾燥頸部~上胸部にかけて色素沈着が見られる

(※1 参考)薬がみえる vol.2|メディックメディア

乳児期(2歳未満)

乳児期のアトピー性皮膚炎は顔、頭の乾燥や赤みから始まり、掻くうちに皮膚が傷ついてじゅくじゅくした状態になります。

顔に続いて症状はひじやひざに及び、広がると体幹部にも症状が見られます。

幼児期~学童期(2歳~12歳)

幼児期~学童期のアトピー性皮膚炎では顔の湿疹が減少し、代わりに首の周り・ひじの内側やひざの裏側に症状が起こりやすくなります。

皮膚は乾燥する傾向にあり、掻きむしるうちに全身に発疹が広がります。

思春期・成人期(13歳以上)

思春期以降のアトピー性皮膚炎は、特に顔、頸部、胸、背中など上半身に症状が強く見られます。

皮膚は乾燥し、重症例では湿疹が全身に広がります。

子どものアトピー性皮膚炎が起こる原因

アトピー性皮膚炎は遺伝や環境など、複数の要因が重なって発症します。

主な原因をまとめました(※1)。

遺伝的な要因アトピー素因
環境的な要因アレルゲン食べ物(乳幼児に多い)ダニ、ハウスダスト(乳児期以降に多い)化粧品、金属との接触アレルギー
アレルゲン以外の刺激乾燥による皮膚のバリア機能低下熱や汗ウールなど、衣服の繊維ストレス

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

子どものアトピー性皮膚炎を治療する方法

子どものアトピー性皮膚炎を治療する方法は、主に次の3つです。

  • ステロイド外用薬を使う
  • 保湿剤で乾燥を防ぐ
  • アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を除去する

このほか、症状によっては内服薬や注射薬を使う場合もあります。

治療薬についてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

内部リンク:アトピー性皮膚炎の治療薬にはどんなものがある?

ステロイド外用薬を使う

アトピー性皮膚炎の治療は、主にステロイド外用薬を使います。ステロイド外用薬の強さは弱い(weak)〜最も強い(strongest)の5段階に分けられます。

ステロイド外用薬には市販薬もありますが、病院では医師が皮膚の状態を見て適切な強さの薬を処方してくれるため、皮膚科で処方してもらうと安心です。

強さステロイド外用薬の例(成分名)
 Ⅰ:weakプレドニゾロン
 Ⅱ:mediumトリアムシノロンアセトニドアルクロメタゾンプロピオン酸エステルクロベタゾン酪酸エステル
 Ⅲ:strongデキサメタゾンプロピオン酸エステルデキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステル
 Ⅳ:very strongベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
 Ⅴ:strongestクロベタゾールプロピオン酸エステルジフロラゾン酢酸エステル

保湿剤で乾燥を防ぐ

アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能低下によって起こるため、炎症がない時でも保湿で乾燥を防ぐことが大切です。特にお風呂上がりは乾燥しやすいため、体を拭いたら保湿剤を塗りましょう。

医薬品の保湿剤には次のようなものがあります。

  • ヘパリン類似物質
  • 尿素製剤
  • ワセリン
  • 亜鉛化軟膏

保湿剤は処方薬のほか、市販薬でも購入できます。

肌がべたつくのを嫌がる子どもには、サラッと塗れるクリームタイプ、ローションタイプの保湿剤がおすすめです。

アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を除去する

アトピー性は遺伝的な要因に加えて食べ物、花粉、ハウスダストなどのアレルギーが原因になっていることがあります。特に乳児のアトピー性皮膚炎では、食べ物のアレルギーが多く見られます。

原因がわかっている場合は、日頃からアレルゲンを避けて生活しましょう。アレルゲンの特定は皮膚科の血液検査やパッチテストで調べられます。

当院でも子どものアトピー性皮膚炎を診療しています

アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚の状態やお子さんの年齢に合った方法を続けることが大切です。自己判断ではなく、医師と相談しながら治療や予防を続けましょう。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。

子どものアトピー性皮膚炎の治療にも対応しています。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「子どもの体に湿疹ができている…」

「子どもがアトピー性皮膚炎かもしれない」

このような方は一人で悩まず、ぜひ一度当院へご相談ください。

医師が患部を診察して、患者様一人ひとりに合った治療を提案いたします。

おすすめのコラム

投稿がありません。

人気のコラム