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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

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2025.06.05

背中は保湿剤が塗りにくく、衣服の摩擦を受けやすい部位のため、湿疹の治療・予防には工夫が必要です。

この記事では、背中の湿疹について原因や治し方を解説します。

「背中に湿疹ができて困っている」

「背中に痒みがある」

このような方は、ぜひ最後までお読みください。

背中の湿疹は思春期~成人期に起こりやすい

症状は年齢とともに変化します。背中の湿疹は思春期~成人期に起こりやすい症状です。

症状が起こりやすい部位、皮膚の状態を年代別にまとめました(※1)。

時期乳児期(2歳未満)幼小児期(2歳〜12歳)思春期・成人期(13歳以上)
症状が起こりやすい部位頭・顔しばしば体幹・手足頸部・手足の折れ曲がる部分顔・頸部・胸・背中・手足の折れ曲がる部分
皮膚の状態顔や頭部に始まり、体幹に広がる皮膚はじゅくじゅくする傾向皮膚全体が乾燥掻いた跡が残り、皮膚が硬く厚くなる皮膚全体が乾燥頸部~上胸部にかけて色素沈着が見られる

乳児期~幼小児期では背中の湿疹は比較的少ないものの、湿疹が広がると背中まで赤み、かゆみが及ぶ場合もあります。

大人になってからのアトピー性皮膚炎、原因や治療する方法を解説!

(※1 参考)薬がみえる vol.2|メディックメディア

背中にアトピーのような湿疹が起こる原因

皮膚炎は遺伝や環境など、複数の要因が重なって発症します。特に背中の湿疹が起こる原因として、主に乾燥と衣服による摩擦が挙げられます。

背中は顔や手足よりも手が届きにくく、保湿が難しい部位です。保湿が不十分になり皮膚が乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下して湿疹を発症しやすくなります。

また、背中は衣服との摩擦により湿疹やかゆみを生じる場合があります。特にウール繊維は皮膚への刺激になり、湿疹を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

掻きむしると悪化するため、かゆくても薬や保湿剤を塗るほかは触らないようにしましょう。

皮膚炎が起こる一般的な原因をまとめました(※1)。

遺伝的な要因アトピー素因
環境的な要因アレルゲン食べ物(乳幼児に多い)ダニ、ハウスダスト(乳児期以降に多い)化粧品、金属との接触アレルギー
アレルゲン以外の刺激乾燥による皮膚のバリア機能低下熱や汗ウールなど、衣服の繊維ストレス

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

背中の湿疹の治し方

背中の湿疹を治す方法として、主に次の3点が挙げられます。

  • ステロイド外用薬を使う
  • 保湿剤で乾燥を防ぐ
  • 低刺激のボディーソープを使う

ステロイドや保湿剤で症状が改善しない時やかゆみが強い時は、内服薬・注射薬を使う場合もあります。

ステロイド外用薬を使う

ステロイド外用薬は皮膚の炎症を抑える薬です。皮膚炎の対症療法としてよく使われています。

ステロイド外用薬は強さによってweak~strongestの5種類に分類され、部位や皮膚の状態によって使い分けられます(※1)。

強さステロイド外用薬の例(成分名)
 Ⅰ:weakプレドニゾロン
 Ⅱ:mediumトリアムシノロンアセトニドアルクロメタゾンプロピオン酸エステルクロベタゾン酪酸エステル
 Ⅲ:strongデキサメタゾンプロピオン酸エステルデキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステル
 Ⅳ:very strongベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
 Ⅴ:strongestクロベタゾールプロピオン酸エステルジフロラゾン酢酸エステル

皮膚科では医師が皮膚の状態を見て、最適な強さのステロイド外用薬を処方します。湿疹がある間はステロイド外用薬でしっかり症状を抑え、症状が改善したら薬を減らします。

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

保湿剤で乾燥を防ぐ

ステロイド外用薬で症状が改善しても、また湿疹が再発する可能性があります。

乾燥は湿疹悪化の原因になるため、症状がない時でも保湿剤で乾燥を防ぎましょう。

保湿剤の例(※1)

  • ヘパリン類似物質
  • 尿素製剤
  • ワセリン
  • 亜鉛化軟膏

保湿剤には軟膏、クリームタイプのほか、ローションタイプ、スプレータイプもあります。背中は手が届かず保湿剤を塗りにくい部位のため、背中の保湿にはスプレータイプの保湿剤がおすすめです。

(※1 参考)薬がみえる vol.2|メディックメディア

低刺激のボディーソープを使う

洗浄力の強いボディーソープは背中の皮膚を刺激してしまい、湿疹が悪化する可能性があります。背中の湿疹を悪化させないために、低刺激のボディーソープを使いましょう。

皮膚への刺激や温熱も湿疹悪化の要因となるため、体の洗い方にも注意が必要です。かゆいからといってゴシゴシこすらず、ぬるめのお湯でやさしく洗いましょう。

湿疹以外で背中の赤み、かゆみを引き起こす病気

薬を使っても症状が改善しない場合は、他の病気が原因かもしれません。

病気の例をいくつか解説します。

背中の赤み、かゆみを引き起こす病気特徴
ニキビ皮脂の詰まり、細菌によって皮膚に赤みが見られるかゆみを伴う場合も
真菌感染症白癬菌、マラセチア菌などの真菌により皮膚に炎症が起こる治療には抗真菌薬を使用する
かぶれ(接触性皮膚炎)金属や衣服の繊維との接触により湿疹が生じる

病気によっては湿疹と異なるアプローチが必要になるため、自己判断で治療をしても治らない可能性があります。

背中に湿疹ができたら、まずは皮膚科を受診すると安心です。

当院でも背中の湿疹治療に対応しています

今回は背中の湿疹について解説しました。

背中は保湿剤が塗りにくく、衣服の刺激によりかゆみが起こりやすい部位です。

スプレータイプの保湿剤や刺激の少ない素材の衣服など、日頃から工夫して湿疹の治療・予防を続けましょう。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。皮膚炎の治療にも対応しております。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「背中の湿疹を治したい」

「背中の湿疹が気になるので、原因を調べてほしい」

このような方はぜひ、一度当院へご相談ください。

皮膚の状態や部位に合わせて、医師が適切な薬を処方します。

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