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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人
2026.03.30
脂漏性皮膚炎とは、頭皮や顔など皮脂の多い部分によく起こる皮膚の炎症です。
「ちゃんと頭を洗っているのに、頭皮のフケが気になる」
「顔に脂っぽいフケのようなものがパラパラ出てくる」
このような症状があったら、脂漏性皮膚炎の症状かもしれません。
脂漏性皮膚炎は、大人になってから発症すると慢性化しやすい病気です。脂漏性皮膚炎が疑われる場合は、早めに皮膚科を受診して治療を受けましょう。
この記事では、脂漏性皮膚炎の原因や治療方法について解説します。
「もしかしたら脂漏性皮膚炎かも」という方は、ぜひこの記事を最後までお読みください。
目次
脂漏性皮膚炎とは?皮脂の多い部位にできる皮膚の炎症

脂漏性皮膚炎について解説します。
脂漏性皮膚炎の概要
脂漏性皮膚炎とは、頭や顔などの皮脂が多い部分にできる炎症のことです。発症すると頭皮のフケが増えたり、皮膚に赤みやパサパサしたかたまり(鱗屑)があらわれたりします。
脂漏性皮膚炎の治療には、ステロイド外用薬や抗真菌薬を使います。薬のほか、抗真菌薬を配合した薬用シャンプーも効果的です。
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など似ている病気も多いため、「脂漏性皮膚炎かも」と思ったら自己判断せず皮膚科を受診しましょう。
脂漏性皮膚炎には「乳児型」「成人型」の2種類がある
脂漏性皮膚炎には「乳児型」「成人型」の2種類があります。それぞれの発症時期や経過をまとめました(※1)。
| 発症時期 | 経過 | |
| 乳児型 | 乳児期(生後2~4週ごろから) | 自然に改善することが多い |
| 成人型 | 思春期以降 | 慢性化しやすい |
(※1 参考)脂漏性皮膚炎ー臨床症状と各種外用剤の治療効果ー
脂漏性皮膚炎の主な症状

脂漏性皮膚炎の主な症状をまとめました(※1)。
- 皮膚の赤み、かゆみ
- 頭皮のフケ
- 脂っぽい鱗屑(フケ状のカサカサした皮膚のかたまり)
成人型の脂漏性皮膚炎は、冬に悪化しやすい傾向があります。
また、脂漏性皮膚炎で抜け毛が起こることはないものの、皮膚をかきむしっていると毛が切れたり抜けたりする場合があります。
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に起こりやすい傾向があります。
脂漏性皮膚炎が起こりやすい部位(※1)
- 頭
- 眉間や鼻のTゾーン
- 鼻の周囲
- 耳
- わきの下
- 胸・背中の正中部
(※1 参考)フケ症 – 脂漏性皮膚炎はありふれた病気です|埼玉県皮膚科医会
脂漏性皮膚炎の原因
詳しいメカニズムは分かっていないものの、脂漏性皮膚炎にはマラセチア菌が関わっていると考えられています(※1)。
マラセチア菌とは常在菌の一種です。マラセチア菌は皮脂を分解して増殖し、皮膚の炎症やターンオーバーの亢進を促して炎症を誘発します。
皮脂が多いとマラセチア菌も増殖しやすいため、注意が必要です。
脂漏性皮膚炎にはビタミン代謝(ビタミンB2,B6など)やストレスも関わっています。そのため、治療や予防には薬だけでなく生活習慣の改善も大切です。
(※1 参考)フケ症に対するミコナゾール硝酸塩配合リンスの有用性の検討ー基剤を対照とした二重盲検比較試験ー|清 佳浩ほか, Jpn J Med Mycol 52:229-237, 2011
脂漏性皮膚炎の治療方法

治療には抗真菌薬や、ステロイドなどの外用薬、保湿剤を使います(※1)。
脂漏性皮膚炎に使われる外用薬
| 抗真菌薬 | マラセチア菌の増殖を抑える |
| ステロイド | 皮膚の炎症を抑える脂漏性皮膚炎では、弱めのステロイドを使うことが多い |
| 保湿剤 | 皮膚のバリア機能を保つ |
外用薬のほか、皮膚の代謝を促すためにビタミンB2やビタミンB6を服用する場合もあります。かゆみが強い場合はまれに、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を使います。
脂漏性皮膚炎を改善するには、薬だけでなく皮膚を清潔に保つことも大切です。
ゴシゴシ洗うと患部を刺激してしまうため、顔や頭皮はやさしく丁寧に洗います。なるべく毎日入浴し、石けんやシャンプーを使って皮脂やフケを取り除きましょう。
薬に加えて、抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」を含んだ薬用シャンプーもおすすめです。ミコナゾール硝酸塩は医薬部外品として承認されており、フケに優れた効果を示します(※2)。
(※1 参考)あたらしい皮膚科学 第3版 7章 湿疹・皮膚炎「2.脂漏性皮膚炎」
(※2 参考)フケ症に対するミコナゾール硝酸塩配合リンスの有用性の検討ー基剤を対照とした二重盲検比較試験ー|清 佳浩ほか, Jpn J Med Mycol 52:229-237, 2011
脂漏性皮膚炎は当院でも治療できます

今回は脂漏性皮膚炎の原因や症状、治療や予防の方法について解説しました。
脂漏性皮膚炎は他の病気との区別も難しい病気です。特に大人になってから発症すると慢性化しやすいため、早めの治療が大切です。
ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。
脂漏性皮膚炎の治療にも対応しております。
当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。
「頭皮のフケが多く、セルフケアでもなかなか良くならない」
「脂漏性皮膚炎かもしれない」
このような方はぜひ、一度当院へご相談ください。
皮膚の状態や部位に合わせて、医師が適切な薬を処方します。
脂漏性皮膚炎に関するQ&A

脂漏性皮膚炎に関して、よくある質問をまとめました。
脂漏性皮膚炎は人にうつる?
脂漏性皮膚炎は人にうつりません。
マラセチア菌は正常な頭皮や皮膚にも存在する菌(常在菌)であり、菌がいるだけで脂漏性皮膚炎を発症するわけではありません。
よって脂漏性皮膚炎の人に触れただけで、菌がうつって発症してしまうことはありません。
脂漏性皮膚炎におすすめのシャンプーは?
マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」を配合したシャンプーがおすすめです(※1)。医薬部外品として薬局やドラッグストアで販売されています。
(※1 参考)フケ症に対するミコナゾール硝酸塩配合リンスの有用性の検討ー基剤を対照とした二重盲検比較試験ー|清 佳浩ほか, Jpn J Med Mycol 52:229-237, 2011
脂漏性皮膚炎のとき、食べてはいけないものは?
絶対に食べてはいけないものはありませんが、脂質の多い食事は控えましょう。また、アルコールの飲み過ぎも禁物です。
代わりにビタミンB2やビタミンB6を含む食品を意識して摂るといいでしょう。
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